ふりかえる

e0056237_1105398.jpg目に見えないふたにすっぽり覆われたように、歩こうとしては立ち止まっていた。
気がつけば数年たったような気がする。
新しいノートを買うのが楽しみだったあの頃。
一冊また一冊と使い終えて、走り書きの言葉が初々しい顔でたまっていくのが嬉しかった。
それは宝石のように美しくカットされてはいないけれど、自分の心の中に埋まっていた原石をみつけるような幸福だった。

それがいつからか臆病になって、ペンからこぼれた最初の一行が信じられなくなって、夢の中でどうしても走れなくて、仕方なく後ろ向きに無理やり歩こうとするようなもどかしさに縛られて・・・。
とても長いこと経ってしまった。いやそれとも、ほんの短いあいだのことなのか。

見るのも嫌になっていた過去の紙を、今日はひさしぶりに広げてみた。
お風呂に入っていたとき、湯船のふちにこぼれた水滴のかたちをみて、なぜだか昔書いた詩の言葉を思い出したからだ。
なぜ思い出したのか、よくわからない。

そこには、まだ私がいた。
ずいぶん離れてしまったと思っていたのに、大して変っていない自分が。
この思い込みはどこから来ていたのだろう?
思い込みどころか、とんだ思い上がりなのだろう。
もう書けないなんて、ちょっとでも思ったのは。

来た道はまちがってない。自信をもって行こう。
素朴だって下手だっていい。この詩を書いてた自分が好きだ。
負けないように、これからも行こう。
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Commented by Take at 2006-04-18 09:10 x
かけますよ(^-^)/
自身は絶対にかけますよ

取り巻く状況が変わってゆくので
モチベーションは変わるのでしょうけど

むしろ表現方法があまりに変わらなくて笑ってしまうときも(^-^)

何も気にしないで書けた頃のものは確かに原石ぽいですよね~
沢山の石がラックに埋まったままですねぇ


ちゃんと探さないとmamasanに怒られちゃう(笑)
Commented by rikakokoro at 2006-04-19 09:36 x
表現を変えたいと思って変ろうとしていたこともあったのですが、
それは意識してなかなかできるものではないらしい(と、最近やっと気づきました)。
放っておいても、変化していくのが人間だし、昨日と同じ今日はないのだから。どうしても『自分っぽいもの』しかできないんですよね。当たり前だけど。
やっぱり自然体で行こう、と、ぐるっとまわって元に戻って来たみたいな気持ちです。
たぶん、私は性懲りがないのでまたしばらくすると同じ悩みにつきあたって、また一周するんでしょうけれど。。。

音楽の場合も、メモみたいな切れ端ってあるんでしょうか。
歌を作る人はよく、思いついた時に自分ちの留守電に録音したりって話を聞きますが(^^;。
Commented by mamasan at 2006-04-19 18:02 x
「 自分をカエル?

  自分にカエル? 」

小さな額に入ったかわいいカエルの絵に添えてあった言葉です。
大好きな雑貨屋さんの「奥の部屋」に飾ってありました。

そうやって悩みながら、人は生きていくのかも・・・。

心の中できらっと煌めくものがあって、
それが原石として結晶していくのでしょうか。

一番自分らしいものかもしれませんね。

ぜひ、掘り出してくださいませ。(^^)
Commented by rikakokoro at 2006-04-21 22:23
きらめくものをなくさぬように、
年を重ねて行きたいものですね。
目標。きらめくおばあちゃんになろう(笑)。
by rikakokoro | 2006-04-18 01:40 | 日々 | Comments(4)

長井理佳。童話作家で作詞家。仕事歴は以下のプロフィールのページにあります。


by RIkaNagai
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