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祭りの準備

祭りの準備_e0056237_17342378.jpg夏休みが終わったー。今朝、みんなが出かけたあとは。嵐が通り過ぎたようだった。前の日から準備なんかしない子たちなんだもの(今朝、宿題の仕上げをしていた子が一名)。
やれやれ・・・・。
祭りの準備_e0056237_17335114.jpg
だが、ほっとしてはいられない。今週末は一大イベントがまっている。
祭りだ祭りだ〜〜〜〜!
子どもとお囃子を習っている、近所の神社のお祭りだ。
今日はお囃子の連中が詰める小屋の掃除をしに行った。年に数回しか開けない部屋なので、まず、ゴキブリさんの糞の掃除からしなければならない。うーむ。
食べ物なんか何も置いてないのに、ここに住んでるんだなあ。
コップや皿を洗い、掃除機をかけ、畳と網戸と手すりを拭いて、トイレを掃除し、階段を掃くとぐったり疲れる。そして、今年もお祭りだなーと思う。
外では、世話役や神輿連の男達が、舞台を作ったり、提灯を提げる準備をしている。そちらは強面が多いからあまり近寄らない。

わがお囃子連の先生は、江戸っ子ではないが江戸っ子みたいに威勢がいい。
八の字眉毛で背は小さく、足は長くない。だが笑うとかわいい。
奥さんはけっこう年上で、すごくチャーミングで品のいいおばあちゃまだ。若いときはかなり美人だったと思われる。先生は十八で父親になって以来、三人の子を育てながら店を切り盛りし、町内会でも働いてきた。今では会長だ。
飲食店の主人なので、腰が軽くてさっと立ち上がって動く。そしてせっかちである。
今日も、掃除の時間より三十分も前に、「今日は何時だったっけか。頼むよ!」と電話してきた。
私たちに頼んだ事でも、ちゃんとやってるかかなり不安になるらしく、何度もせっつかれるのはいつものことだ。
怒ると怖いが、根がとても優しいので、子どもにはとても人気がある。このあたりにはいくつかお囃子連があるが、子どもをここまで沢山育てているのはうちの連くらいだろう。
先生の力こぶはポパイよりすごい。子どもたちはだれもかなわない。

この頃の子どもたちは、礼儀を知らない(親の顔が見たいよまったく・・・)。
生意気な子どもたちを時に叱り飛ばし、時には褒めちぎりながら、先生は稽古をつける。
子どもが三日で覚えることを、こちらは一年かかってやっとできるようになりながら、生徒の母二人も負けずについていく。毎度十人ほどの子らがくる。子ども五人の母もいるから、大きいのからおむつしてるのまで、ケンカはするわ追いかけっこするわ、人の話は聞こえないわ・・・。
でも、これが楽しいんだな。お腹の中にいたときから聞いていた二歳の男の子は、最初にバチを持った時から、両手でどんどんといいリズムで大太鼓を叩いてた。

下の娘は笛が上手になった。母は挫折した・・・。
息子は鉦(かね・・・与助ともいう)が得意だ。こちらは私より一年もあとに始めたのに、二週間で追い抜かされた。私はまだ太鼓だけで精いっぱいだ。
でも、その昔は母の田舎の祭りで(それは東京の片隅の神社のものとは比べ物にならない迫力だったが)、男の子達が山車の上で生き生きと太鼓を叩くのを見ていて、「いいなあー、男に生まれたかったなあー」(ホントは女の子だって叩けたんだけど)と、口には出さず思い詰めていた引っ込み思案の子どもだったから、これも叶った夢の一つだな、と思う。
下手くそでも、思いきり叩くとスッキリする!

毎年、都内の囃子連が集まって披露しあう会があるのだが、もう九十近いと思われる、耳も遠くなったヨロヨロのお爺さんが、太鼓の前に座るととたんに顔つきが変わる。
こうなるとリズムももう熟練の域を超えて、仙人の太鼓みたいになってくるのだが、これはちょっとすごい。吹いてる風が違う。恐れ入りました〜〜〜という感じである。
そして、立ち上がって舞台を降りるとまた、ただの老人に戻るのである。

お婆さんでそれができたら、ちょっとカッコよくない??
・・・・などと思っている私。

さて、今週末は忙しい・・・。
Commented by at 2005-09-06 01:28 x
ああ、いい祭りなんだなあって思います。
わたしは祭りの話を聞くだけでなんだか涙が出てきて困ります。
90歳の太鼓じいさまを思うと、もうもう、うっすらわいてきます。
Rikaさんの90歳(!)の晴れ姿を思うと・・・わくわくします。

太鼓も鉦も大好きです。掛け声フェチかなと思うこともあります。
「鼓童」のライブでも泣いておりました。
Commented by rikakokoro at 2005-09-07 21:39
祭り、おかげさまで無事に終わりました。
最近何かを観て泣きそうになったといえば・・・。
この夏、歌舞伎通の友人に屋連れていってもらった「義経千本桜」の一幕。
鼓の皮になってしまったお父さんとお母さんキツネを慕って人間に化けていた子ギツネ。
絵本「きんいろきつねのきんたちゃん」とダブって泣けてしまいました(あれは、お母さんがえりまきになっちゃったんだけど)。

出待ちの友人にくっついて裏の通用口で立ってたら、義経を演じられた役者さんが出てきて、その予想を越えた(?)カッコ良さに呆然としたのもいい思い出です。
by rikakokoro | 2005-09-01 18:24 | | Comments(2)

長井理佳。童話作家で作詞家。仕事歴は以下のプロフィールのページにあります。


by RIkaNagai
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