シンプルなものほど。。。

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最近買った本が面白かった。五味太郎の「絵本をよんでみる」。五味さんが、自分が気になって仕方がない絵本をとりあげて、いっぱいしゃべっているところに、小野明さんという編集者が合の手を入れるようなカタチになってる。
一番最初にブルーナの「うさこちゃんとうみ」がとりあげられている。
うさこちゃんシリーズは私が買ってもらったもっとも古い「絵本らしい絵本」の中の一つだ。
その頃あった、厚紙でできたような「かわいいどうぶつ」や「よいこのどうよう」の類いの絵本とはちがう、薄いページの本らしい本。
私にとっては今でも、「ミッフィー」ではなく石井桃子訳の「うさこちゃん」だ。
それはさておき、
五味さんが自分流に、うさこちゃんとうみ、を読み解いていく。
こんなにシンプルな絵本なのに、これがなんとも愛おしい作業というか、深い。深くておかしい。
まるで俳句を読みといているみたいな自分勝手な楽しさ。
画家としての目があるから、尚さら、細部にまで気を配ってしまう性がまたいい。
途中、うさこちゃんやふわふわさん(うさこちゃんのおとうさん)の言葉に、「二時間ジーンとして楽しめる」五味さんもなかなか素敵で笑える。
ふたりで海へ行く父と娘のぎこちなさから、うさこちゃんのおかあさんは、このとききっと病院にはいっていたのにちがいない、と結論付けるところもまた面白い。

思い出に残る絵本にはすごい力がある。なんだろう。それは、感想文なんかでは説明できないものだ。
読む人の胸の中に勝手に入って、その人の想像の駒を動かしちゃう。
動かされかたは、その人によってちがう。
たった一ページの小さなカットが、心の部屋に一生残ったりする。
その人の部屋、それだけで、殺風景じゃなくなる。

教科書に載る話には、よく、さも素晴らしい教育的な効果がうたわれていたりするけど、見かけが単純なものほど、実はそんな枠にははめられない深みがある。
ちょっと変だったり、痛かったり、アンバランスだったり。
五味さんも書いているように、ローベルの「おてがみ」なんかはまさにそうだと思う。
あの話、私も気持ちわるいもの。純粋すぎてちょっとこわい。子どもの無邪気さじゃないと思う。
載せた人、ホントにちゃんと読んだのかな。
結果的に、ちょっとヘンな感じを子どもに味わってもらう機会を与えられてお得!だったと思うけど。
おそらく、教科書作る人が意図したところとは違うとこで、私はあの絵本を楽しんでいる。

この本には13の絵本についての話が載っている。
読んだことがないものもあって、さっそく図書館に行って読んできてしまった。

ーーーーー
*写真・・・
トンボがとまったとこを狙いました。息を止めて。
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Commented by くるぶし at 2005-09-24 01:46 x
右足だけすごく緊張してる。写真ってすごいなぁ。
Commented by Rika at 2005-09-24 14:09 x
写真と文章がまったく関係ないブログでございます。。。(--)。

「絵本をよんでみる」はくるぶしさんが読んだら面白いと思います。
平凡社の文庫本です。
キャベツくんについても載ってます(^^)。
Commented by Rika at 2005-09-24 17:57 x
補足ですが、私はローベルの絵本は好きです。
心がなんとなくざわざわするけど、何度も読んでしまう・・・。
by rikakokoro | 2005-09-24 00:07 | | Comments(3)

長井理佳。童話作家で作詞家。仕事歴は以下のプロフィールのページにあります。


by RIkaNagai
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